フリージア

春、この頃は花屋さんにフリージアが並ぶ。
僕が最も好きな花。
毎年、黄色いフリージアを買う。


なんて良い香りのする花なんだろう。
と毎年、同じ感動を与えてくれる。


僕が虫だったら、ずっとこの花のそばに
いるだろうなぁ。


蕾がいくつもあって、次々と咲いては香る。


東北に暮らし、寒い冬を越えて
あ〜春が来たなぁと、梅や桜よりも先に
春を感じさせてくれる花。


そうそう、それよりも早いのが ”ふきのとう”
今年も庭先にニョキニョキと顔を出しています。
彼らもまた春の匂いと共に”土の匂い”を
思い出させてくれる存在。


収穫して、今年は「ばっけ味噌」を作ってみたのでした。
意外と簡単にできたし、自分好みの味になった。


幸い僕は花粉症ではないから
春の風を思い切り吸い込むことができる。


小さな春を探して、それらを感じないと
なんだか人生を損しているような気分になる。


それでなくともこのところずっと色々なことに追われている。
自分のバランスを保つぶんだけの自然を感じれていないから、
敢えて”追われている”なんて言葉を使ってみたが、
嫌なことは一つも無い。
苦手なことと、面倒くさいことはあるけど。


春は、なんだか自分の感性も
あたたまってくる。
そんなわけで、言葉をつらつらと
書きたい気持ちになるのです。


自分でもこの時期に何をしていたかを
忘れてしまいそうな毎日なので、
ここに残しておきたいと思います。


香港から帰ってきてからの２月。


１０年前に初演をした”杜の都演劇祭”の
「星の王子様」の稽古が始まっていた。
実は僕の2ndアルバムに収録した曲たちはこの舞台に
作ったものをいくつか収録しているのです。
＜約束＞＜木曜日＞＜花と自分＞


演出のいとうみ弥さん、朗読の原西忠佑さん。
このメンバーは同じ。


だから、ぼくも久しぶりに弾くこの曲たちに
久しぶり感となんか懐かし〜感が満載だったのです。


連動して思い返される10年前のあれこれ。
10年前といってもこの作品は再演に再演を何度も
重ねたから初演のあと数年は演っていたのでした。


そして、否応なしに震災の頃の記憶も連動するのです。


原西さんは僕の安否を心配して何度も電話をくれていた。
その電話に軽い感じで出た僕に、原西さんは怒った。


そのことを僕はずっと謝ろうと心に残っていた。
今回そのことを話したら、「そんなことあったっけ〜？」
って笑ってた。


そのくらい時間が経っている。


覚えていること。
忘れていること。


変化しているそれぞれの環境。


そういう色々なものが折り重なって
新しい「星の王子さま」は
今の自分たちを表す鑑になっていた。


だから同じ作品をまた演ることは面白い。
だから、また何年か経ったら演りたいと
願う。



11日12日は気仙沼へ行っている。
復興コンサートの一環で。


気仙沼は「歳祝い」という風習が濃い。
正確な数字は覚えていないが、
かなりの頻度で同級生が集まってお祝いをしているそうだ。


この時は還暦のお祝い。
その演奏。


何度も演奏させていただいている気仙沼。
いつもお世話になっている方の還暦のお祝いの会。


大島という島がある。
今、その島に長年の夢であった橋が架かり
もう時期、開通となる。
そのことにかけて
＜明日に架ける橋＞を演奏したのです。


記憶に残る印象深い時間でした。


そのあと、その大島へ渡り、
次の日もコンサート。


前回も泊まった「民宿みかみ」
とにかくここの料理が美味しいのです。
ここのご主人がかなりの音楽好きで
名前は出せませんが、某超有名ギタリストが
遊びにくるくらい。
だから、夜の宴が盛り上がるのです。
「明日、演奏ですから」
といっている僕の言葉は全然関係なく
つがれるお酒。笑


この場所で知り合いになった漁師の方がいます。
去年の夏、コンサートとは関係なく
プライベートで船を出してもらって
一緒に釣りに行くくらい。


あっちでは音楽の話で盛り上がり、
こっちでは釣りの話で盛り上がり、、
そりゃあ、夜は長いはずだぜ。


でも、次の日、ちゃんと演奏はしてます！


近所のおばあちゃんたちを中心に
ほっこりと生演奏をお届けするのです。


ほっこりするのはいつも僕らかな。


気仙沼から帰る頃
漁師のおっちゃんから
メールがきて
「かっこよかったぜ」
って書いてあった。


無骨そうにみえる人から
そんなこと言われると
なんだか本当に嬉しくなる。


「いやいや、＊＊さんの方が
かっこいです！」


そして、お土産にいただいた
ワカメ、本当に旨いです。

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大事な方からのご依頼をいただいたコンサートがありました。
コンサートシリーズ37thがありました。
雄勝オーリンクオーケストラの練習に行きました。
５年間の現代ギターの連載が終了しました。
和菓子まめいち”こころあたたまる音楽会”がありました。
杜の都・学生ギターフェス2018の編曲、指導がありました。
新しい出会いのチェリストと山形でコンサートをしました。
東京で新しいヴァイオリニストとリハーサルがありました。
日本ギター合奏連盟の理事会に行きました。
志基先生のレッスンを受けました。
ギタリスタス仙台へゲスト出演するためのリハーサルがありました。
実治くんとのコンサートがありました。そのあとみんなでご飯を食べました。
正隆さんといわき市に演奏へ行きました。
ギタリスタス仙台の本番がありました。
コンサートシリーズ38th。イギリスからお客様が来てくれました。
まだ非公開ですが、最も嬉しい編曲依頼があり、それをやり遂げました。
ギターの友連載の作曲をしました。
東北ギター音楽振興会ギターグレード試験の事務局担当しました。


本当はこれらの項目をちゃんと書いておきたい。
けれども、その時間はなさそうなので、
気持ちの部分だけにします。


僕は今、３６歳。
もうすぐ３７歳になる。


男、三十代半ば。
いろんな役割が増えた。
そういう時期なのだろう。

今が大事。


明らかに二十代の時とは違う毎日がここにあって、
あの混沌とした時間の経緯が今に繋がっている実感がある。


願った夢より、現実はだいぶ面白い。


みなさんに感謝。