種蒔人

今日は僕の誕生日。

朝、郵便屋さんのピンポーン♫で目が覚めて、誕生日プレゼントが届いた。
それから一日中、色んな方々からお祝いのメールをいただいて。
お昼は友人がランチをご馳走してくれた。

昨日と今日は、庭に野菜の種や苗を植えた。裸足で土の感触を味わいながら、太陽を浴びて。風を感じて。
植える前に両手に種を包んで想像する。この一粒の種から芽が出て、根を張り、葉を開く姿を。成長して花が咲き、実を結び、また種をつけ、土に還るまでを。
その間、鳥のさえずりにも耳を澄ませる。
そんな時間は思考を超えて、身体の細胞が喜ぶ。心に風が通る。


夕方からは、絵本作家の佐藤直樹さんの個展のオープ二ングパーティーへ。
演奏もさせていただいた。

今夜もあたたかい人達が居て、食べるものとお酒があり、楽しい語らいがあって音楽がある。
やっぱり、そんな時間はこの上なく幸せなのである。

家に帰り、今、一人音楽を聴きながらビールを飲みながらこれを書いている。

これまでの32年間、33歳の一日目、そしてこれからの未来。

編曲にしても作曲にしても一人の作業。時に、ものすごく孤独を感じる時がある。本当は決してそうではないのに。一人でその穴の中に入り込む時がある。
そんな時、思い出したい。
太陽の光を、土の感触を、心に風が通る気持ち良さ、鳥の声を、植物の成長する時間の流れを。
そして、僕は一人ではないことを。
こんなにもあたたかな人々に囲まれていることを。笑顔に溢れていることを。

乗り越えたその先にまた、その時がやってくることを。

みんなありがとう。